医療費を下げる:受診回数3分の1・リフィル処方とは?

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医学と経済
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みなさんこんにちは。とんかつです。

最近、ニュースでリフィル処方という言葉を聞いたことはありませんか?

2022年4月から開始された仕組みです。

これは、受診回数を減らすことが可能になるメリットがある一方、医者としてはデメリットもあると感じる制度です。

今日は、こちらに関して説明したいと思います。

リフィル処方とは

患者さん
患者さん

先生、なかなか病院にこれないので薬を多めに出してもらえませんか?

とんかつ
とんかつ

リフィル処方が始まりましたのでお出ししますね

これなら同じ処方箋を3回使えます

患者さん
患者さん

それなら助かります。

リフィル処方とは、簡単にいうと、一度病院を受診して処方箋をだしてもらえば、それを3回まで使えるというものです。

つまり、受診する回数を3分の1に減らすことができます。

ただ、これは長期に安定している処方内容のみに適応となるため、風邪薬を3回分もらうといったことはできません。

また、睡眠薬などの薬や、湿布はもらうことができません。

リフィル処方のメリット

なんといっても、受診の手間、受診料を減らすことができます。

また、遅くまで開いている調剤薬局に行けば、仕事帰りなどにも薬をもらうことができます。

仕事が忙しい方など、なかなか日中病院に受診できない方にとっては非常にいい制度ですね。

リフィル処方のデメリット

1か月の処方を3回使用した場合、受診は3か月ごとになります。

体調の変化、薬の副作用のチェックはできません。

また、薬をもらえる期限が決まってますのでわすれてしまうともう一度処方箋をもらう必要があります。

医師の視点

安定している患者さんにはいい制度だと思います。

ただし、問題もあります。

厚生労働省からの通達では、薬剤師は状態変化時などに医師に連絡をすることになっております。

私自身、薬局で薬をもらう時に、薬剤師さんも忙しくそこまで話をする時間などがないな~と感じます。

そんななかで、今の体調などを説明できるのか?また、血圧の薬をもらう時に、最近頭がいたいんですなどと言われたときはどうするのかなど、うまく連携が取れるの?

ただ、クリニックで薬をもらう時も、3時間待たされた3分診療などと揶揄されることもありますし、受診しても『かわりないですねー、薬出しときます』などといった診療があることも事実です。

適当な医者がいるのも事実ですが、まじめな医者はちょっとした体調の変化から病気を探し出すことをしております。(まじめな医者が多いといいのですが・・・)

リフィル処方の場合、体調変化やこの薬を飲み続けてもいいのかを薬剤師さんが判断し必要に応じて医者に確認することになっております。

薬剤師さんの薬の知識にはかなわないことも多々ありますが、病気の診断、治療、薬の処方についてはやはり医者にまかせてほしいなーと思います。(そもそも医師法で医業は医者しかやってはいけないのですがね・・・)

また、単純に病院経営としては、減収になります。

リフィル処方をしても、病院にとって経営的メリットはまったくありません。

そのため、開業医の先生などは嫌がるかもしれません。

その他、処方箋は医者の責任になりますので3か月病院に受診せず、副作用がでていて状態がわるくなったなどといったときも医者の責任になりますので、正直厳しい制度だなと感じます。

まとめ

今日はリフィル処方についてまとめました。

受診回数の減少、医療費の削減などのメリットがある一方、副作用や体調変化時の薬の調整などはできないため、自己での体調管理をしっかりしないといけません。

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