医師が解説!胃がんについて:リスク因子、症状、検査について

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症状と病気
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こんにちは。とんかつです。

今日は、胃がんについてお伝えしたいと思います。

胃がんは、日本の癌の中で罹患数第2位、死亡数第3位です。

罹患数や死亡率などの用語説明はこちらをどうぞ

胃がんについて本日はまとめたいと思います。

胃がんの罹患数・死亡数

まず日本の癌の罹患数ですが、

  日本    男性    女性  
1位大腸前立腺乳房
2位大腸
3位大腸
4位乳房
5位前立腺肝臓子宮
日本における癌の罹患数

このように、日本全体では2位、男性で2位、女性で4位となっております。

また、死亡数はというと

  日本    男性    女性  
1位大腸
2位大腸
3位大腸膵臓
4位膵臓膵臓
5位肝臓肝臓乳房
日本における癌の死亡数

となっております。

胃がんの5年生存率

胃がんの5年生存率はというと、

  ステージ    5年生存率  
Ⅰ期82.1%
Ⅱ期60.0%
Ⅲ期37.0%
Ⅳ期5.5%
胃がんの5年生存率

このようになっています。

ここででてきた癌のステージというのは、癌の進行度を表します。

進行度は、癌の大きさ、リンパ節転移、他臓器転移の有無によってきまります。

癌が小さくとどまっているほどステージは低く(Ⅰ期)、癌が大きい、リンパや他臓器に転移しているほどステージが大きく(Ⅳ期)になります。

癌の5年生存率はステージ毎に異なり、早期のほうが良い

また、癌のステージに毎に現在は治療方法が決まっています。

胃がんの場合は、おおむねⅢ期までは手術を、Ⅳ期は手術以外の選択肢となりますが、そこに抗がん剤が加わるかなど細かく分かれています。

胃の機能

まず胃はみぞおちのあたりにあります。

青くまるで囲んだ部分に胃があります。

胃は主に食物の消化を行います。

胃の中で分泌される代表的なものは二つ(細かいものは色々あります)

  • 胃酸:胃の中に分泌される酸で、pH1~2と言われている。
  • ペプシン:消化酵素で主にたんぱく質を分解する

また、胃は蠕動運動(ぜんどううんどう)をすることにより、食物を攪拌(かくはん)して消化しやすくします。

胃は食物を攪拌して胃酸や酵素で消化する

胃がんのリスク

胃がんのリスクと言われているのは次の5つです

胃がんのリスク因子
  • ピロリ菌感染
  • 喫煙
  • 食塩過多
  • 家族歴
  • 肥満

順に説明していきます。

ピロリ菌感染

胃内は胃酸の影響で生物が生存することはできないとされてきました。

1983年にウォレンとマーシャルによって胃の中に菌がいることが発見されました。(昔CMにでていたのを覚えている人もいるかもしれません)

さらに、この菌が感染していると、胃炎や、胃潰瘍、さらには胃がんの発生に寄与していることが発見されました。

特に胃がん発生の最大のリスク因子とされています!!

ピロリ菌の治療方法

胃カメラでいえんや胃潰瘍などがあることを確認する。

ピロリ菌がいることを確認する検査でピロリ菌がいることを確認

  • 迅速ウレアーゼ試験:胃の一部をとって試薬に入れる
  • 鏡検法:胃の一部をとって顕微鏡で観察
  • 培養法:胃の一部をとって培養する
  • 尿素子機試験:薬を内服して子機を図ることにより診断する。
  • 抗体測定法:採血、尿、唾液などでしらべる
  • 便中抗原測定:便を調べる

ピロリ菌がいる場合は、抗生剤や胃薬を一緒にのんで除菌します。

最近、抗生剤への耐性化(効かなくなること)があり、一度の内服では除菌できないことがありその場合は違う薬を飲むことになります。

喫煙

喫煙といえば肺がんのイメージがありますが、胃がんにも関与していることがわかっています。

喫煙によりタバコを吸ってない人にくらべ1.2倍~1.9倍リスクが上がるといわれています。

どんどん値段が上がっているタバコですが、これをきにやめてみてはいかが?

食塩過多

塩分の高用量接種は胃がんと関係があるとしてきされています。

また、食塩は高血圧などの生活習慣病の原因としても重要です。

家族歴

胃がんが家族にいる場合に胃がんになりやすいという報告もあります。

しかし、家族に胃がんがいればかならずなるわけではないです。

肥満

肥満は、欧米などで多い噴門部の癌が起きやすくなるといわれています。

ただ、日本では噴門部の癌はあまり多くありません。また、欧米のような肥満体系ではないためそこまでかかわっていないかもしれませんが、今後注意が必要な因子であります。

胃がんの症状

胃がんの症状は主に3つ

胃がんの症状3選
  • 胃の痛み・違和感・不快感
  • 貧血
  • 食事がつかえる

これらの症状を説明していきます。

胃の痛み・違和感・不快感

胃は先にお示しした通り、みぞおちのあたりにあります。

そのあたりの痛みや違和感、不快感を自覚する場合があります。

貧血

胃の中に癌ができると、食事をした際に食物と癌がこすれてしまい、そこから出血することがあります。

胃の中に出血をしても、そのまま消化されてしまうため出血に気づくことができず、気づかないうちに貧血が進行することがあります。

その場合は、黒色便(イカ墨のような黒い便)がでることが特徴です。

食事がつかえる

食事がつかえるといった症状を感じるかたもいらっしゃいます。

食事が使えるほどの場合は癌が大きくなっていることもあるため、すぐに病院に受診する必要があります。

症状の出現率

上記のような症状が現れることもありますが、無症状の場合もあります。

ある研究では、健康診断で胃がんが発見された患者さんの内、症状があった患者さんは半分以下であったなどの報告もあり、症状がないからといって油断はできません。

胃がんの早期発見

胃がんの早期発見のために重要なことは

健康診断を受ける

症状があるときはすぐに受診する

この二つにつきると思います。

また健康診断では、胃カメラやバリウム検査などがありますので、定期的に受けることをお勧めします。

また、リスク因子を持っている方は積極的に健康診断を受けることをお勧めします。

早期発見には健康診断が重要

胃カメラについてはこちらをご覧ください

まとめ

・胃がんのリスクや症状についてまとめました

・早期発見のためには日ごろの健康診断が重要です。

・症状があった場合はすぐに病院に受診しましょう。

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