咳喘息の診断・治療について:医師が解説

SNSフォローボタン
Drとんかつをフォローする
咳喘息 症状と病気
この記事は約3分で読めます。

こんにちは。とんかつです。

私は中核病院で外科医をやりながら、地域のクリニックで総合内科の外来も行っております。

詳しくは自己紹介をご覧ください。

自己紹介 | Drとんかつの医療情報ホスピタル (drtonkatsu-med.com)

今日は、咳喘息について解説します。

咳喘息とは

咳喘息とは、咳だけを症状とする喘息です。

慢性咳嗽の原因の病気として、日本ではもっとも頻度が高いです。

慢性咳嗽など、咳についてはこちらのページをご覧ください

咳がとまらない:咳の原因の病気と治療法 | Drとんかつの医療情報ホスピタル (drtonkatsu-med.com)

咳喘息の症状

咳喘息の咳は、就寝時や深夜、あるいは早朝に悪化しやすいとされております。

ただし、昼間に咳を認める患者さんもいます。

実際、私の患者さんでも、しゃべるときや動いたときなどに咳が出るんですとおっしゃっていた患者さんもいます。

痰は絡まないことが多いですが、絡む方もいらっしゃいます。

喘息でよくきかれる喘鳴(ヒューヒューとした呼吸)が聞かれないのも特徴です。

  • 咳喘息は夜から朝にかけて悪化しやすい
  • 喘息のときのヒューヒューとした呼吸はない

また、風邪などを契機に咳だけがそのまま残ってしまい咳喘息と診断されるときもあります。

咳喘息の診断

咳喘息について、学会からでている診断基準はこのようになっております。

下記の1~2すべてを満たす

1喘鳴を伴わない咳嗽が8週間以上持続

 聴診上もwheezesを認めない

2気管支拡張薬(β刺激薬など)が有効

3~8週間の遷延性咳嗽であっても診断できるが、3週間未満の急性咳嗽では原則として確定診断しない

参考所見

(1)末梢血・喀痰好酸球増多、FeNO濃度高値を認めることがある(特に後2者は有用)

(2)気道過敏性が亢進している

(3)咳症状にはしばしば季節性や日差があり、夜間~早朝優位のことがおおい

日本呼吸器学会咳嗽・喀痰に関するガイドライン2019作成委員会(編):咳嗽・喀痰の診療に関するガイドライン2019)

この内容をかみ砕くと、ぜーぜーしない咳が8週間続いて、気管支拡張薬を使用したらよくなるような咳は咳喘息ですよ、ということです。

また、参考所見の(1)(2)は病院で調べなければわからず、気管支拡張薬も病院にいかなければ処方されません。

病院にかかる前に、皆さんが疑う方法としては、咳が8週間つづいていて、夜から朝にかけて特にひどい。

このような場合は、まず病院に受診してみましょうということになります。

咳喘息の治療

治療は、喘息と同じように吸入ステロイドなどが使用されます。

効果がよく出る方ですと1か月以内でよくなる印象もありますが、なかなか効かない方では数か月から年単位で治療を続けている方もいらっしゃいます。

また、治療も良くなったとしてもしばらく(半年~1年)程度は続けたほうが良いとされております。

咳喘息の予後

喘息への移行が30~40%程度と言われており、注意する必要があります。

また、早期に発見、正しい治療が行われない場合は喘息に移行してしまうため、ただ咳が続いているといって侮らずに、しっかりと呼吸器を診察している病院に受診することが大切です。

まとめ

今回は咳喘息についてまとめました。

咳は非常によくある症状ですが、続く場合は咳喘息という病気の可能性があります。

咳がしばらく続くときは一度病院に受診してみましょう

コメント

タイトルとURLをコピーしました